Q&A

基本編

異形管の表示(鋳出し、打刻)

a)水の記号(水道用品を示す)、 b)管厚の種類の記号(DF)、 c)製造年(西暦の下2桁)、 d)製造業者名又はその略号、 e)呼び径 、f)角度(曲管の場合)、 g)呼び圧力(7.5K 以外のフランジ形の 場合)、 h)受口の接合形式の記号、i)検査証印(打刻可)
当工業会の会員製品には、工業会の商標マーク  が表示されています。

内面エポキシ樹脂粉体塗装の表示(捺印)

a)製造年月(西暦の下2桁)、b)製造業者名又はその略号、c)検査証印

挿し口部の表示(線)

白線(銀線):接合作業時に挿し口の受口への挿入量など、継ぎ手の接合状況を確認するための表示
赤線:接合作業時に挿し口の受口への挿入量を確認するための表示(GX形異形管、NS形異形管 呼び径300~450)
黄線:接合作業時に挿し口が受口にまっすぐ挿入されているかを確認する目安となる表示(NS形異形管 呼び径500~1000)
詳しくは、一般社団法人日本ダクタイル鉄管協会発行の「接合要領書」などをご参照ください。
https://www.jdpa.gr.jp/material/procedure/seismicjoint/index.html

管厚は1 種類です。ただし、品名、接合形式、呼び径で管厚は異なります。

当Webサイト内「製品の概要」の「異形管一覧」・「異形管種類」をご参照ください。

設計編

水密性の観点から異形管と継ぎ輪は直接接合しないでください。
異形管は規格上、挿し口先端から受口に挿し込まれる必要な範囲しか水密性が保証される外径許容差内の寸法が確保されていません。
したがって、異形管の挿し口と継ぎ輪を接合すると、継ぎ輪は軸方向に自由にスライドできる構造のため、施工時に少しずれるとこの許容差範囲をはずれたところで接合されることが有り得ます。
この場合は管の外形寸法が確保されていない箇所で継手を接合することになり、水密性は保証できなくなります。

一般的にフランジ形の規格製品は、フランジ部のボルト穴の数と穴をあける位置が決まっています。しかしながら、穴の数が4の倍数でない場合、90°ひねるといった縦配管から横配管に変わる部分ならびに横配管から縦配管に変わる部分などでは、所定の方向に向けられなくなるので注意が必要となります。
7.5kフランジでは、呼び径150では6穴、呼び径300,350では10穴になっていますので、注意が必要です。

どちらも、切管後の残管有効利用に活用できますが、継ぎ輪を使用する場合は、異形管と継ぎ輪は直接接合できないことや、両受短管の場合は、せめ配管ができないことに注意する必要があります。

施工編

異形管は切断して使用しないでください。
両フランジ長管や片フランジ長管の外観は直管と似ておりますが、直部の寸法規定は異なっており、切断して使用した場合は水密性の保証はできません。

P-Link

切管加工をした挿し口突部のない直管挿し口と、直管受口を接合する際に使用します。P-Linkを使用する際は、切管用挿し口リングは使用しません。

G-Link

切管加工をした挿し口突部のない直管挿し口と、異形管受口を接合する際に使用します。G-Linkを使用する際は、切管用挿し口リングは使用しません。

GX形押輪

挿し口突部のある直管挿し口と異形管の受口を接合する時に使用します。

GX形ライナー

異形管挿し口と直管受口の接合箇所、または一体化長さの範囲内における直管挿し口と直管受口の接合箇所にも使用します。

A形継手はK形継手と比べて飲み込み寸法が浅く、ゴム輪の形状も異なることから、接合しないで下さい。
既設管路にA形が使用されており、設計や施工でお困りの際は、日本ダクタイル異形管工業会会員企業にお問い合わせください。

防食編

上水道、下水道分野においては、呼び径1500以下の管路はエポキシ樹脂粉体塗装が主流となっております。呼び径1600以上の管路においては以前はモルタルライニングや合成樹脂塗装が主に使用されておりましたが、昨今は無溶剤型エポキシ樹脂塗装の採用が増えています。

日本ダクタイル鉄管協会規格に JDPA Z 2009(ダクタイル鋳鉄管外面特殊塗装)という規格があり、外面特殊塗装はその規格にて運用されています。
同協会の技術資料 塗装とライニング(T12) の4.3外面特殊塗装
表11 ダクタイル鋳鉄管外面特殊塗装(JDPA Z 2009-2011) をご覧ください。
外面特殊塗装(AA塗装)は黒色とし、色指定はできません。特殊塗装(BB塗装、CC塗装、DD塗装)は色指定を行うことができます。

フランジ形継手部についてはガスケット面、それ以外の受口と挿し口を接合する継手部については、受口は内面すべて、挿し口は端部からP寸法の範囲(受口に入り込み部分)等の接水部には防食性能に優れる液状エポキシ塗装を使用します。上水道用は飲用水としての浸出性能が重要となることから、接水部には合成樹脂塗料を使用します。

その他

管路として繋がっている状態で確認する場合は、異形管には管体に鋳出し表示があり、「A」または「K」という表示があります。
継手部を解体した場合は受口のP寸法、ゴム輪の形状で判断することが可能です。

ダクタイル異形管は鋳物であるため、規格製品以外の異形管製造も可能なものもあります。ただし、メーカによって対応の可否は異なりますため、詳しくは日本ダクタイル異形管工業会会員企業にお問い合わせください。

当Webサイト内「製造方法」の「異形管ができるまで」・「異形管の鋳造方法」をご参照ください。

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